会の川のレトロな橋 (その1) (2) (3) (4) (5) (6) [会の川の橋一覧]
撮影地:会の川(あいのかわ)、埼玉県羽生市(はにゅう)
会の川は昭和7年から13年にかけて、県営の河川改修事業(治水とかんがい排水を同時施工)が実施された。
同事業で建設された古い橋が、現在も会の川には数多く残っている。
(追補)会の川の橋梁群は、土木学会の[日本の近代土木遺産]に選定された。
→日本の近代土木遺産のオンライン改訂版、書籍版は日本の近代土木遺産(土木学会、丸善、2005)。
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原野橋 (はらの:下流から撮影) 場所:羽生市上岩瀬〜上新郷 建設:昭和10年(1935)前後 形式:鉄筋コンクリート桁橋(1スパン)、斜橋 長さ 5.6m、幅 6.2m、欄干高 0.8m、親柱高1.05m 会の川の起点から約1.5Km下流、県道128号熊谷-羽生線の橋。 秩父鉄道の新郷駅の西300mに位置する。 すぐ下流には、秩父鉄道の会の川橋梁と 羽生領用水橋梁(共に大正期に建設。煉瓦造りの橋台)もあり、 ノスタルジックな景観を堪能できる。 本橋は、羽生市内の会の川に架かる橋では珍しく、 表面は人造石で仕上げられている(他の橋はコンクリートの打ち放し)。 親柱の頂部には、当時流行であった半球体が飾られている。 会の川には、原野橋とほぼ同じデザインの橋、徒歩橋(加須市)がある。 この地点から北西1.3Km、上新郷地区の土腐落悪水路にも同型の橋がある。 |
会の川堰 (下流から撮影) 場所:羽生市上新郷9付近 建設:昭和10年(1935)前後 →会の川堰の詳細 形式:鉄筋コンクリート桁橋(3スパン) 長さ 6.7m、幅 3.6m、欄干高 0.75m、親柱高0.9m 秩父鉄道の新郷駅から南へ1Km、建福寺霊園の西側の 会の川堰(農業用水の取水堰)に併設された橋。 会の川には7ケ所に取水堰が設けられているが、 下流の加須市に6基あり、羽生市には、この堰だけ。 併設橋は軽快な印象の橋で、モダンなデザインの親柱と 欄干開口部のアーチと鋼管が特徴。 上述の建福寺(本寺は羽生駅の近く)は、小林秀三の 墓があることで有名。小林は、明治の文豪、田山花袋の 小説「田舎教師」のモデルとなった人物。 隣の行田市出身で実際に羽生市内の弥勒小学校 (現.三田ヶ谷小学校)に勤務している。 |
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名称不明の橋
(上流から撮影) 場所:羽生市下新田176付近 建設:昭和10年(1935)前後 形式:鉄筋コンクリート桁橋(1スパン) 長さ 7.7m、幅 1.8m、欄干高 0.3m、親柱高0.35m この橋は、上新郷堰の下流1Kmに位置する。 会の川の両岸は微高地(自然堤防)になっていて、農家の集落が 散在する。農家はこの地方特有の屋敷林に囲まれている。 屋敷林は赤城おろし(冬の季節風)に対する防風林である。 この橋には道路は接続されてない。農作業のためだけに 存在するようだ。橋のデザインは、昭和初期の典型的なもの。 (近隣の中川や手子堀川などにも同形の橋が多数現存する) 欄干(地覆に近い)にはアーチ状の開口部(幅0.15m)が設けられ、 親柱には埼玉県特有のモチ−フ(川の字)がデザインされている。 桁の側面には、持ち送りが設けられている。 |