洋館 (その8)_  水深村役場の書庫、岩槻郷土資料館、東玉大正館、浦和博物館、三郷市郷土資料館   洋館の一覧


 旧.水深村役場書庫
↑旧.水深村役場の書庫
 所在地:加須市大室、加須市子どもふれあいの家
 竣工:大正14年(1925)?

 加須市子どもふれあいの家は、旧水深村役場の跡地に
 ある。この書庫は村役場(大正14年竣工、木造二階建の
 洋館)と同時に竣工したものだろう。鉄筋コンクリート平屋。
 小さな建造物だが、見た目の印象が単調になるのを
 防ぐために、壁面には直線をモチーフとした地味な意匠が
 施されている。特にファサードは壁面の厚さを3段に
 変化させてある。全体の印象はアール・デコ風ともいえる。
   岩槻郷土資料館
  ↑岩槻郷土資料館(旧.岩槻警察署庁舎)
   所在地:岩槻市本町二丁目2-34
   竣工:昭和5年(1930) 昭和57年から郷土資料館

   鉄筋コンクリート2階建、正面右端のみ塔のようになっていて
   中3階建。玄関入口の二段構成のポーチが印象的だ。
   建物の表面は淡いベージュ色のモルタルで仕上げられている。
   基部の煉瓦壁は
長手積み。この建物は内部が凄い。
   丸い太い柱とアーチ状の梁で構成された真っ白な天井。
   茶色の床に白い壁。階段は大理石である。

 東玉大正館(旧.中井銀行岩槻支店)
 東玉大正館(旧.中井銀行岩槻支店)
 所在地:岩槻市本町三丁目
 竣工:大正十年(1921)?

 いわつき本町中央通りに面して建つ。東玉(とうぎょく)とは
 [人形の街]を代表する老舗の人形店。
 鉄筋コンクリート2階建だが、白と茶色の配色とバランスが
 絶妙である。白の部分はコンクリート(表面をモルタルで
 化粧)と石材、茶色の部分には煉瓦が貼られている。
 煉瓦は質の良い
焼過煉瓦で、色むらがなく、寸法も均一で
 ある。煉瓦の積み方は
小口積み。煉瓦の小口寸法は
 108mm×58mmであり、これは
JIS制定以前の古い寸法だ。
 ファサード(建物正面)は柱で三分割して
 窓を左右対称に配置した構成となっている。
 一階と二階の間には半円のメダリオンが施されている。
 メダリオンの中に、??銀行岩槻支店と
 記されているのが今も読み取れる。

   浦和博物館(旧.埼玉県師範学校)
   浦和博物館(旧.埼玉県師範学校)
   所在地:さいたま市緑区三室
   竣工:明治11年(1878)

   旧師範学校の校舎、鳳翔閣は昭和34年(1959)に解体されたが、
   保存しておいた建材の一部を使って、校舎の中央部分が
   博物館として復元された。木造2階建、ビクトリア様式であり、
   玄関の上にはバルコニーが設けられている。
   バルコ二ーの柱頭にはアーカンサスの葉の彫刻が施されている。
   外観は
本庄市歴史民俗資料館(旧本庄警察署)に良く似ている。
   軒にはデンティル(歯状)の装飾が施されている。
   浦和はサッカーの街として有名だが、その発祥地が
   埼玉県師範学校である。鳳翔閣はJリーグ、浦和レッズの
   エンブレムに描かれている。
   なお、この付近一帯は、昭和15年(1940)まで北足立郡三室村だった。
   ここから800m南にあるさいたま市の三室支所には、大正時代に
   設置された
三室村の道路元標が今も残っている。

 三郷市郷土資料館(旧.彦成公民学校の講堂)
 三郷市郷土資料館(旧.彦成公民学校の講堂)
 所在地:三郷市彦倉一丁目
 竣工:大正十五年(1926)
 設計:田口文吉

 彦成小学校の脇にある。郷土資料館の門柱の脇には
 大正時代に設置された北葛飾郡
早稲田村の道路元標
 保存されている。

   旧・黒須銀行
   旧・黒須銀行
   所在地:入間市宮前町
   竣工:明治42年(1909)
   設計:

   土蔵造二階建て、屋根は寄棟で瓦葺
   敷地内には大正時代に設置された入間郡
豊岡町の道路元標
   保存されている。

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