石橋供養塔 (鴻巣市)_  埼玉県の橋供養碑


 廻国供養塔?(石橋)
 廻国供養塔?(石橋)
 埼玉県鴻巣市天神五丁目

 鴻巣市役所から300m南側、
 県道308号線の路傍(商店の
 駐車場内)にある。
 文化七年?(1810)建立。
 右側の小さい塔(高さ約60cm)が
 石橋供養塔、表面の摩耗が激しく、
 文字の判読が困難である。
 左は馬頭観音(安政二年)、騎西と
 鴻巣への道標を兼ねている。
   奉讀誦法華経千部橋供養
   奉讀誦法華経千部橋供養 
元荒川(左岸)
   埼玉県鴻巣市笠原


   笠原大橋の左岸上流100m。脇には
   明治時代に建造された
笠原堰の供養塔がある。
   享保十四年(1729)十一月建立。
   経典の供養塔だが、橋供養と題されている。
   正面に種子(釈迦を表すバク)と願主が三名(僧侶)。
   右側面に建立年と武州埼玉郡笠原村、
   左側面には武州足立郡中曽根村 上谷村 深井村 宮内村。
   鴻巣市の大半は旧足立郡であったが、笠原村は埼玉郡。   

 石橋供養塔
 石橋供養塔 元荒川(右岸)
 埼玉県鴻巣市常光、常光樋管

 東部都市下水路が元荒川へ
 合流する地点にある。
 文化十三年(1816)二月建立。
 側面および台座に多くの
 世話人名が記されているが、
 摩耗が激しく読めない。

   
石橋供養塔
   石橋供養塔 元荒川(右岸)
   埼玉県鴻巣市常光、常光神社

  ←の石橋供養塔から300m南にある。
   享保十九年(1734)建立。
   高さ118cm、幅41cm。正面上部に
   種子(バク?)、下部には願主(僧侶)と
   18弁の菊が彫られている。側面には
   世話人名。隣にある寛政10年の庚申塔は
   笠原、騎西への道標を兼ねている。

 
 石橋の遺構 荒川(左岸)
 埼玉県鴻巣市糠田、氷川神社

 社殿の南側、荒川の左岸堤防の裾に面して置かれている。
 これは石橋の供養塔ではなく、石橋の石材そのもの。
 おそらく桁に使われていた石材であろう。
 大きさは120cm×38cm×16cm(地上への露出部分)。
 端部が欠けているので、本来の大きさは150cm程度だったと
 思われる。側面には、橋石壹枚増
 天保十二年(1841) 糠△ 河△と
 刻まれている。この石材を使って石橋を予定よりも約40cm
 拡幅して建設したのだろう。
 なお、境内にある手水鉢には[奉納者
 天保三年 河野権兵衛]と
 記されている。石橋の石材に刻まれた年号と時期が合致するので、
 この石材の寄贈者も河野氏だと思われる。

(補足)鴻巣市に存在した石橋
 武蔵国郡村誌の足立郡(3巻)、埼玉郡(12、13巻)から、現在の鴻巣市の区域に存在した石橋を集計したのが、
 下記の表である。郡村誌は明治9年の調査を基に編纂された。標目数が多いうえに記述も詳細で、
 極めて優れた書である。しかし、あくまでも村誌であり橋梁の悉皆調査書ではない。
 実際に存在した石橋の数は、下記の集計(合計55基以上)よりも、もっと多かったはずである。

村名 橋名 記述内容 ページ
原馬室村 村道に属し村の東方 逆川の上流に架す 長九尺巾九尺 132
鴻巣道に属し村の北方 逆川の中流に架す 長九尺巾九尺  
村道に属し村の西北 逆川の下流に架す 長九尺巾九尺  
滝馬室村 逆川橋 御成川岸道に属し村の東方 逆川の上流に架す 長一間巾五尺 137
石宮橋 川岸道に属し村の東北 逆川の中流に架す 長一間巾五尺  
不知橋 御成川岸道に属し村の西方 居堀の中流に架す 長三間巾一間半  
氷川下橋 川岸道に属し村の西方 居堀の中流に架す 長二間二尺巾一間半  
  此外野道に属する石橋数ヶ所あり  
鴻巣宿 伏木橋 館林道に属し宿の北方 外谷用水堀の上流に架す 長四尺七寸巾四尺九寸 141
長瀬橋 村道に属す宿の東北 外谷用水堀の中流に架す 長四尺一寸巾三尺六寸  
車橋 村道に属し宿の東北 外谷用水堀の中流に架す 長一間六寸巾三尺九寸  
相生橋 騎西道に属し宿の東方 外谷用水堀の下流に架す 長五尺巾三尺八寸  
沼田橋 館林道に属し宿の北方 溝の下流に架す 長四尺九寸巾五尺二寸  
小山橋 館林道に属し宿の北方 谷田用水堀の中流に架す 長五尺三寸巾四尺九寸  
新橋 村道に属し宿の東北 谷田用水堀の下流に架す 長一間巾三尺四寸  
常久橋 騎西道に属し宿の東方 中落堀の下流に架す 長一間巾四尺  
鈴木橋 館林道に属し宿の北隅 中落堀の下流に架す 長三間四尺巾五尺二寸  
栄橋 中山道に属し宿の西南 悪水小溝に架す 長四尺八寸巾二丈二尺八寸  
本石橋 中山道に属し宿の東南 悪水小溝に架す 長四尺八寸巾二間三尺  
稲荷橋 騎西道に属し宿の東南 悪水小溝に架す 長三尺巾二間二分  
寿橋 松山道に属し宿の西南 悪水小溝に架す 長三尺三寸巾五尺三寸  
館林橋 館林道に属し宿の西南 悪水の小溝に架す 長三尺巾四尺八寸  
要吉橋 館林道に属し宿の北隅 悪水小溝に架す 長二間四尺九寸巾五尺  
山王橋 高尾川岸道に属し宿の南方 悪水小溝に架す 長三尺三寸巾二間三尺  
高原橋 村道に属し宿の東南 悪水小溝に架す 長三尺五寸巾四尺八寸  
三隅橋 村道に属し宿の東方 悪水小溝に架す 長三尺二寸巾三尺  
上生出塚村 騎西道に属し村の東方 谷田堀の下流に架す 長二間巾九尺 147
下生出塚村 鴻巣道に属し村の中央 谷田堀の上流に架す 長二間二尺巾九尺 150
騎西道に属し村の南方 谷田堀の下流に架す 長二間二尺巾九尺  
鴻巣道に属し村の北方 中落の上に架す 長二間二尺巾九尺  
上谷村 石井戸橋 騎西道に属し村の北方 赤堀川の上流に架す 長九尺巾四尺五寸 154
中橋 騎西道に属し村の北方 中落堀の上流に架す 長九尺巾四尺五寸  
外谷橋 騎西道に属し村の北方 外谷堀の上流に架す 長一間巾五尺  
庚橋 桶川道に属し村の東方 外谷堀の下流に架す 長一間巾四尺五寸  
川面橋 騎西道に属し村の東方 用水堀に架す 長五尺巾四尺  
下谷村 橇目橋 村道に属し村の東隅 赤堀の下流に架す 長七尺巾一間 158
中曽根村 戸崎橋 騎西道に属し村の北方 赤堀川の中流に架す 長九尺巾六尺 161
野道に属し村の東方 赤堀川の下流に架す 長九尺巾五尺  
常光村 鯉沼橋 笠原道に属し村の南方 赤堀の中流に架す 長二間巾五尺 171
圦の上橋 笠原道に属し村の北方 中落堀の下流に架す 長二間三尺巾一間  
登戸村 松山道に属し村の中央 悪水小溝に架す 長八尺巾八尺 223
宮前村 宮前橋 耕作道に属す村の東北飛地 用水の中流に架す 長六尺巾五尺 226
糠田村 薹の橋 松山道に属し村の南方 蚊帳淵の上流に架す 長七尺巾六尺 229
中井村 新橋 村道に属し村の南方 用水の下流に架す 長六尺巾六尺 256
中井橋 村道に属し村の北方 用水の上流に架す 長九尺巾六尺  
箕田村 中宿橋 中山道に属し村の西方 悪水堀に架す 長四尺巾二間 266
八幡田村 新堀橋 村道に属し村の東北 水流堀の上流に架す 長五尺巾四尺 274
黒須橋 村道に属し村の北方 中落の上流に架す 長六尺巾四尺  
笠原村 いの橋 騎西道に属し村の東方 笠原用水堀の上流に架す 長七尺巾六尺 288
鷹橋 騎西道に属し村の北方 野通落の中流に架す 長四間巾一間三尺  
郷地村 大道橋 里道に属し村の卯の方 船塚堀の中流に架す 長八尺巾四尺 292
安養寺村 西浦橋 行田道に属す村の亥の方 西浦堀の上流に架す 長三尺六寸巾三尺七寸 417
上谷橋 村道に属す村の寅の方 宮殿堀の下流に架す 長一間巾四尺二寸  
中宿橋 岩槻道に属し村の東方 郷地用水堀の中流に架す 長三尺六寸巾三尺七寸  
砂場橋 岩槻道に属し村の東方 郷地用水堀の中流に架す 長三尺五寸巾四尺八寸  

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