奉造立　石橋供養塔　中川（左岸） 　　　埼玉県北葛飾郡庄和町榎8付近 　　　中川に架かる大榎橋から北東へ200m、 　　　榎と倉常の境界の交差点にある。 　　　東西への道標を兼ねている。 　　　この塔は表面の摩耗が激しいうえに、 　　　台座の損傷も激しく、倒壊寸前である。 　　　建立は宝暦年間（1750〜）のようだが、 　　　年度までは判読不能。 　　　願主　榎村△△と倉常村　源△△が判読できる。 　　　文字塔なのだが、表側の頂部には何やら浮彫りが 　　　施されている（地蔵菩薩像のようにも見える）。

奉？立　石橋供養塔　中川（左岸） 　埼玉県北葛飾郡庄和町下柳490付近 　国道16号春日部バイパスの下柳交差点から250m東、 　バイパスの南側に沿った側道にある。 　地蔵菩薩（念仏講中、写真右）と共に祠に祀られている。 　祠の前には石橋が架けられている。この石橋は 　古いものではなく、橋台はコンクリート製である。 　しかし、桁は石材が三枚並べられている。 　江戸時代に供養の対象となった石橋は、 　これと同じ位の規模で構造形式もこのようなもの 　だったと思われる。 　安永七年(1778)十一月建立。 　高さ124cm、幅58cm。 　地蔵菩薩の浮彫り（舟形）で、正面に碑銘と建立年、願主。 　側面には10数名の戒名が記されている。 　この塔は墓碑も兼ねているようだ。

普門品石橋供養　江戸川（右岸） 　埼玉県北葛飾郡庄和町中野291付近 　松伏町魚沼の香取神社から北西へ60mの 　三叉路にある。この三叉路は庄和町飯沼、中野と 　松伏町魚沼の境界となっている。道路を挟んだ 　松伏町魚沼にも石橋供養塔（1798年建立）が祀られている。 　この地点は江戸川の右岸堤防から800m西側に 　位置し、地形が台地から平地へと移行している。 　石橋は江戸川ではなく、西側150mに流れる金野井用水に 　架けられていたのだろう。 　幅26cm、奥行15cm、高さ91cm（台座を含む）。 　正面上部には蓮座の上に地蔵菩薩の浮彫像。 　左側面に下総国葛飾郡中野村、 　右側面には建立年が記されていると思われるが、 　磨耗が酷く判読は不可能。 　台座には塔を建立したと思われる11名の氏名。 　この石橋供養塔は地元では、 　夜泣き地蔵と呼ばれているそうである。

（補足）庄和町に存在した石橋
　武蔵国郡村誌の15巻（葛飾郡）から、現在の庄和町の区域に存在した石橋を集計したのが、
　下記の表である。郡村誌は明治９年の調査を基に編纂された。標目数が多いうえに記述も詳細で、
　極めて優れた書である。しかし、あくまでも村誌であり橋梁の悉皆調査書ではない。
　実際に存在した石橋の数は、下記の集計（合計19基）よりも、もっと多かったはずである。

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