橋供養塔 (富士見市)_  埼玉県の橋供養碑


 橋供養
 寒念仏供養同行(橋供養)
 埼玉県富士見市東大久保2030付近

 県道113号線の東大久保交差点から
 南東へ500mの地点、車地蔵にある。
 500m北側には
びん沼川(旧荒川)が
 流れる。高さ37cmの小さな地蔵だが、
 可哀想なことに頭部が破損している。
 元禄八年(1695)十月建立。
 台座の正面には寒念仏供養同行、
 左側面に橋供養、裏面には享保五年
 十二月と追刻されている。台座の4面に
 合計17人の氏名が刻まれている。
   石橋供養塔
  石橋供養塔 新河岸川(左岸)
  埼玉県富士見市東大久保


  阿蘇神社の入口から北へ50m、地蔵の
  祠の脇にある。高さ59cm、幅24cm。
  文化元年(1804)十一月建立。
  正面に石橋供養塔、右側面に建立年。
  左側面に入間郡大久保 施主 3人の
  名前(苗字は無し)
   奉庚申待供養石橋成就処
  奉庚申待供養石橋成就処 富士見江川(右岸)
  埼玉県富士見市水子

  本郷中学校の北側の道路脇にある。
  この付近は水子地区と鶴馬地区の境で、写真奥の
  富士見江川が境界となっている。富士見江川は
  500m下流で
新河岸川の右岸へ合流する。
  供養石は高さ94cm、幅40cm。
  元禄十四年(1701)二月建立。
  駒型の塔で正面には青面金剛と三猿が彫られている。
  左側面に建立年、右側面に武州入間郡△△水子村
  台座の正面に11人の氏名

 奉供養日待講石橋成就処
 奉供養日待講石橋成就処
 埼玉県富士見市水子660付近

 地蔵院の門前に庚申塔と共に
 祠に入れられている。外見は
 地蔵菩薩の立像である。
 高さは96cm(台座を含む)。
 元禄十四年(1701)九月建立。
 正面に碑銘、建立年、
 武州入間郡水子村とある。
 台座の四面には日待講14人の
 氏名が記されている。
 普請組合ではなく、日待講の
 メンバーによる石橋建立であろう。

   奉造立石橋供養
  奉造立石橋供養
  埼玉県富士見市下南畑2400付近

  県道463号さいたま所沢バイパスの
  上宗岡二丁目交差点から150m西側、
  鶴新田集会所の脇にある。
  地蔵菩薩(座像)は高さ107cm(台座を含む)。
  元文三年(1738)二月建立。台座正面に碑銘、
  右側面に入間郡下難畑村 風山圓空
  この付近は富士見市と志木市の境界であり、かつては
  村境に沿って
佃堤と呼ばれる堤防が築かれていた。
  佃堤は洪水を防ぐためのものだが、排水困難の原因
  でもあったようで、明治期には南畑村と宗岡村は
  競うように排水用の
煉瓦水門を建造している。

(補足)富士見市に存在した石橋
 武蔵国郡村誌の入間郡(4巻)から、現在の富士見市の区域に存在した石橋を集計したのが、
 下記の表である。郡村誌は明治9年の調査を基に編纂された。標目数が多いうえに記述も詳細で、
 極めて優れた書である。しかし、あくまでも村誌であり橋梁の悉皆調査書ではない。
 実際に存在した石橋の数は、下記の集計(合計4基)よりも、もっと多かったはずである。

村名 橋名 記述内容 ページ
水子村 東京往還に属し村の南方 柳瀬川の中流に架す 長八間三尺巾九尺 282
東京往還に属し村の東南 柳瀬川の下流に架す 長六間巾六尺  
下南畑村 村道に属し村の中央 小溝に架す 長四尺巾六尺 296
村道に属し村の西方 小溝に架す 長四尺巾六尺  

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