石仏、水辺の神様 (その8)_ 水辺の神様の一覧

荒川(その5)

 弁才天
 弁才天 荒川(右岸)
 埼玉県大里郡大里町津田
 稲荷社の東50m、参道脇に
 祀られている。
 3体とも弁財天だと思われる。
 手前の弁才天女の台座には
 ソと思われる種子。
  庚申塔(道標)
  庚申塔(道標) 荒川(左岸)
  北足立郡吹上町荊原(ばらはら)
  荒川左岸堤防の裾、三島神社
  寛政八年(1796) 状態良
  高98cm(台28cm),幅33cm,奥28cm 
右面(右)従是
 野原文殊道/壱里三拾丁
(注)[野原文殊]:文殊寺(江南町野原)
  この付近の荒川左岸堤防は旧中山道
  供養塔と地蔵
  供養塔と地蔵 
荒川(左岸)
  北足立郡吹上町荊原
  荒川の左岸堤防裾の大日堂。
  旧中山道は、この付近から荒川の
  左岸堤防の上を通る。堤防の
  入口には権八地蔵が祀られている。
  供養塔は安永六年(1777)建立、
  願主
 宗心。地蔵も安永年間の建立

 
塞神
 塞神 荒川(大日幼稚園の北側)
 埼玉県北足立郡吹上町荊原
 左岸堤防の裾にある。
 文政13年(1830)11月建立。
 大芦邑上分砂原 世話人
 ??
 この付近は大里郡と北足立郡の
 郡界だった。荊原地区は
 昭和16年まで、大里郡久下村に
 属したので、ここはかつては
 大里郡だったことになる。
 この塞神は庚申塔を削ったもの。

  九頭龍大神、塞神、一目連大神
  九頭龍大神、塞神、一目連大神 吹上町大芦(おおあし)
  荒川(左岸堤防裾、荒川パノラマ公園の東側入口)
  九頭龍大神は明治11年(1878)建立。水下安全
  戸隠とあるので長野県の戸隠神社から勧請したもの。
  塞神(さいのかみ)には、明治3年神仏混交の追刻がなされている。
  元来は庚申塔であり、延宝年間に庚申供養講中によって造立された。
  一目連大神は俗に云う[一つ目小僧]。一つ目が台風を
  連想させることから、風水害の鎮静祈願として信仰されることが多い。
  目の病とも関連があるので、金属の製造・加工者(鍛冶屋など)にも
  信仰があったという。荒川水系では九頭龍と一目連を対にして
  祀る箇所が、
鳥羽井沼(市野川、川島町鳥羽井新田)、
  
白山神社(越辺川、坂戸市赤尾)にもある。
  

 塞神
 塞神 荒川(
荒川水管橋の脇)
 北足立郡吹上町大芦
 延宝八年(1680)建立。これも
 おそらく改刻庚申塔だろう。
 台座に新在家側? 塞神とは
 
埼玉県北部に特有な石神。
 文字通り、塞ぎ(ふさぎ)の神の
 ことで、外から村の中に災いや
 疫病が入り込むのを封印する。
 道祖神(道六神)の一種でもある。
 ここから500m北の旧松山道には
 
道六神が祀られている。

  
 
  一目連大神 荒川(左岸)
  北足立郡吹上町大芦
  荒川水管橋から北東へ250mの
  地点、稲荷神社の脇。
  慶応元年(1865)九月建立。
  洒落た造形の石神だ。一般的に
  稲荷神社は豊饒の神とされる。
  この一目連は農耕への恵みと
  なる雨を祈願したのだろうか。
  石神としては珍しい一目連が
  大芦地区には2基もある。

  
九頭龍大権現と水神宮
  九頭龍大権現、馬頭観音、水神宮
  荒川(
大芦橋の右岸下流300m、河川敷内)
  大里郡大里町小八林(こやつばやし)
  この付近には昭和初期まで、大芦河岸と
  呼ばれた河岸場(物資の積み下ろしのための船着場)が
  あった。今では、その面影は篠竹から成る屋敷林跡しかない。
  写真左から九頭龍大権現(明治
44年建立)、
  馬頭観音(明治6年建立)、ひときわ大きいのが
  水神宮(文化十二亥年:1815)。八十三翁
 愚禅書とある。
  ←の稲荷神社脇にある庚申塔の揮毫も愚禅である。
  愚禅は吉見町丸貫出身の大僧正。
  なお九頭龍大権現は
明治43年の大水害の翌年に建立。

 庚申塔(道標)
 庚申塔(道標) 荒川(左岸)
 北足立郡吹上町大芦
 旧日光脇往還(八王子千人同心道)の
 脇。文化十一年(1814)
 高132p(台57cm),幅38p,奥36p
 塞神(反対の面に庚申塔、塞神は
 おそらく明治期に追刻)。塞神の右面:
 (右)右
 松山道 (左)左 五反田加し

  地蔵(道標)
  地蔵(道標) 荒川(左岸)
  北足立郡吹上町大芦
  ←から南へ50mに集合している。
  寛政八年(1796)
  高93p(台32cm),幅26p,奥16p
  正面:(右)右 松山道 (左)五反△
  (注)五反田は荒川の河岸、渡し場

  地蔵(道標)
  地蔵地蔵(道標) 荒川(左岸)
  北足立郡吹上町三町免(さんちょうめん)
  小谷小から300m西、町道の脇に12体集合、
  祠の中。状態は良い。宝暦二年(1752)
  高98p(台17cm),幅31p,奥18p
  正面:(右)右
 忍?行田道
      (左)左
 吹上熊谷道

 九頭龍神社と水神
 九頭龍神社と水神 荒川(大芦橋の左岸下流2Km)
 北足立郡吹上町小谷(こや)
 荒川の左岸堤防の裾に庚申塔や馬頭観音など
 7基と共に祀られている。この付近には
 昭和初期まで、
五反田河岸と呼ばれた船着場
 があり、舟運による荷物の配送がおこなわれていた。
 吹上町内に残る江戸時代の道標には行き先として
 五反田と記されたものが多い。
 九頭龍神社は文化十年(1813)建立。
  武州足立郡小谷村
 水神は明治二十八年(1895)建立。
  堤根側氏子中

  庚申塔(道標)
  庚申塔(道標) 荒川(左岸)
  北足立郡吹上町小谷
  ←に集合している内の一基。
  天保十三年(1842)
  高122p(台43cm),幅33p,奥22p
  台左面:(右)西
 満つやま(松山)
 右面:(左)北
 き△うた/東 かうのす  

  九頭龍大神
  九頭龍大神 荒川(
糠田橋の上流2Km、左岸堤防上)
  北足立郡吹上町小谷 水防倉庫の付近。
  明治25年(1897)建立、大正15年(1926)再建。
  碑の背面には当時の北足立郡小谷村長だった、
  長島其吉の名も記されている。
  長島はこの地点から100m北側にあった、
  
小谷製糸工場(1880年創業)の創始者だ。
  また
榎戸樋管(元荒川、1901年竣工)の
  建設申請者でもある。

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